レンズカバー 完成への道のり

本日は最近完成させたソットマリノオリジナルレンズカバーの開発秘話。
一見シンプルなレンズカバーですが、その裏には数々の試行錯誤と情熱が詰まっています…

きっかけ

- 消えゆくネオプレン製カバー

TGのワイコンをお持ちの方なら経験があるかもしれませんが、
私はTGのワイコンを使い始めた当初、付属品のネオプレン製カバーを使用していました。
便利なはずのこのカバー、過去に2度もなくしてしまいました。
1回目は目の前で上に消えゆく姿を見送り…
2回目は消えたことすら気づかないという悲劇…

- エキジット時の焦り

そしてある日、決定的な出来事が起こりました。
エキジット時のこと。波が高く、早くボートに上がりたいという状況でした。

「さあ、カバーをつけて...」

しかし、カバーがレンズにうまくハマらない!

「もう、これ以上時間をかけられない!」

結局、カバーをつけるのをあきらめてエキジット。
もちろん細心の注意を払ってエキジットしましたが、緊急時はそれも難しいんです。
レンズを守りたいが安全は最優先!!
…レンズにキズが。。

探求

-「いいカバーはないのか?」

この経験から、「もっと使いやすいカバーはないのか?」と考えるように。
波の揺れるボートの上でも素早く装着できて、
水中でも紛失しにくいカバー...そんな理想のカバーを求めてネットを検索…

しかし、理想通りの製品は見つかりませんでした。

ひらめき

- 「ないなら作ればいいじゃないか!」

そしてある日、ランニング中にひらめきました。

「ないなら作ればいいじゃないか!理想のカバーを!」

これが私の開発ストーリーの出発点となりました。
まずは理想のレンズカバーの条件をリストアップ。

  1. レンズに傷が付かないこと
  2. 片手でも簡単に装着できること
  3. 波の揺れる不安定な状況でも使えること
  4. 紛失しづらい設計であること
  5. 耐久性が高いこと
  6. 錆びないこと

試行錯誤の日々

-プロトタイプ

最初のプロトタイプはお椀型の大きいもの作製。
ワイコンのサイズを測定し、3DCADで設計。
3Dプリンターで出力。

↓失敗の山


出力した部品に、ヘアゴムに裁縫用の金具を付けて制作。
しかしヘアゴムは数回の使用で予想以上に伸びてしまい、固定力が低下。
当初はピッタリフィットしていたのに、何回か使っているうちに緩すぎてほとんど意味をなさなくなりました。
次に、裁縫用の金具が錆びる問題。
「ステンレス製だから大丈夫だろう」と思っていたのですが、実際の海水環境は想像以上に過酷でした。
わずか2回の使用で錆びが目立ち始め、次には金具が茶色く変色していました。

- プロトタイプ Ver.2

初号機の反省を活かし、素材を変えて再製作。
ヘアゴム→キャンプ用のバンジーコード
金具→タイラップ巻いて圧着スリーブ
これではどうかと、、
バンジーコードは大正解!!
何回使っても伸びることなく安定して使用出来ています。
タイラップからの圧着スリーブは見た目がカッコ悪く、、
何かないかなと非常勤スタッフの方々へ相談していたところ、
こんなのあるよと教えてくれたのが電気配線用のコネクターでした。
使ってみるとめちゃくちゃいい固定具合。
そして錆びない!!!
…これはいいんじゃないか??
よし、作ってみよう!

↓今でも使っているプロトタイプ

フィールドテスト

まずは自分が使ってみてテストを実施。
使い勝手は良好、ピッタリの設計はではなく
少し余裕を持たせているのではめやすい。
何回使っても錆びていない。
ダイビング後洗わず放置してみても
塩は付くが錆びはない。
自分の中では合格点!

製品化への道

次はスタッフ、お客様にプロトタイプをお渡しし、実際に使って頂きました。
使いやすいという嬉しいお言葉と
外したカバーを固定出来るともっといい、と意見をもらうことが出来ました。

外したカバーの固定

固定はしなくとも若干沈み気味の素材ではあるため、穏やかな海で撮る分には問題ない。
しかし少し流れのある所だとふわふわしてしまうため、本体下部に引っ掛ける留め具を取付。
これもスタッフミーティングで案を頂きました。

Gopro用の問題

このとき同時にGopro用のカバーも同時に制作しており
試して頂きました。


スキンで使われることが多いGopro用は
カバーが水中の抵抗となり手が痛いとの意見を受け、
抵抗を逃がす穴を作ってみました。


と、他のスタッフから石ころが入る、との意見。
穴を半分にする格子を付けることで大きい石が入らず
なおかつ水の抵抗を少なくすることを実現できました。
↓完成

そして完成!

試行錯誤の末、ついに完成。
みんなの知恵が詰まった製品です!

最後に

開発中、多くのお客様にも相談したところ、私と同じ悩みを持つ人が多いことがわかりました。

「ボート上でのカバー装着は本当にストレス」
「ネオプレン製カバーは使いにくい」
「すぐ失くす」

この意見を聞き、
ストレスだったのは私だけじゃなかった、製品化して良かったと改めて思いました。

今後も更なる使いやすさと困りごとを探し、
安全に、快適にダイビングが出来るものづくりをしていきたいです。

皆さんからのフィードバックをお待ちしています!

製品ページはこちら↓
https://www.sotto-marino.com/news/7919/

お名前も入れてオリジナル作りましょ♪